デキレル女子図鑑
趣味が仕事に、手芸作家女子KAORI
KAORIさんは、ふんわりとした雰囲気を持ちながら、自分の信条を曲げずに行動する女子。同僚だった時も作家として活動している今も、変わらない笑顔が素敵。
デキレル女子図鑑とは、東京ナイロンガールズから見た「デキル」+「キレ者」な女子を紹介するコラムです。デキレル女子として、自分なりのポリシーを持ち仕事やプライベートに全力投球している女子に、Ya-koが密着インタビュー! デキレル女子になるヒントを見つけていきます。KAORIさんプロフィール
ブログ:
http://ouchiku.exblog.jp/8597116/
理系エンジニアから芸術系手芸作家へ転身!

KAORIさんは、多彩な素材使いと、リアリティのある動物の表情をモチーフにした手芸作品を発表している手芸作家。
大学卒業後、新卒で大手IT企業へ入社し、ITエンジニアとして勤務。Ya-koとは同僚の間柄。退職後、趣味で制作していた手芸作品をインターネット上で発表しはじめ、現在に至る。
第一印象はふんわりとした雰囲気のKAORIさん。元同僚だった私も、一緒に働いていた頃も「かわいらしい人」というイメージが強かった。今回のインタビューで、彼女の中にあるブレない信念と、手芸作家として今後の活動に対する強い意志を感じ、彼女の魅力を再発見した。
Ya-ko(以下Y):「KAORIちゃんは、ITエンジニアから手芸作家へ『転身』したよね。ITエンジニアは理系、手芸作家は文系のイメージがあるんだ。理系と文系って正反対じゃない?」
KAORI(以下K):「大学受験の時に理系を選択したから、その流れでITエンジニアになったんだ。数学は答えが出るでしょ? 白と黒がはっきりしてる。基本的に、何でも白黒つけたい性格だから、それで理系に進んだだけなんだ。国語も好きだよ(笑)。」
手芸作家になった陰には友達の助言があった
Y:「KAORIちゃんは、趣味で手芸をはじめて、今は作家として活動してる。最初の頃は、手芸作品だけじゃなくて、ネックレスやヘアアクセサリーも作ってたね」
K:「最初は、手芸がとても好きというわけではなかったんだ。自分が、どんな作品を作りたいか分かっていなかったし、出来上がった作品は、友達にあげたり安く譲ったりしていて、趣味の範囲は超えてなかった」
Y:「趣味の範囲を超えた理由を教えてくれる?」
K:「私の友達には、カメラマンやミュージシャンのような芸術系の人も多かったの。そんな『作品を発信している』友達に『趣味だけではもったいない。この作品は売れるよ』と勧められたのがきっかけ。体調を崩して会社を休んでしまったとき、何かやれることがないかと思ってはじめたのが手芸だったの。まさか、仕事になるなんて思ってなかった」
Y:「しばらくしてからマイスペース(注:ミクシィのようなインターネットのサービス。アメリカで作られたサービスのため、海外のユーザーが多い)で、作品を発表しはじめたんだよね」
K:「マイスペースで作品を発表したのがきっかけで、フランスの雑貨店から『あなたの作品を売りたい』ってメッセージが届いたんだ」
Y:「そうそう! フランスデビュー! マイスペースやブログを見たときは、びっくりしたよ」
K:「今はフランスの雑貨店2カ所(注:1店はオンラインショップ)と取引してるよ」
ITエンジニアだったころ、忙しさに追われて悩んでいた
K:「エンジニアとして仕事をしてたころ、いつも『これでいいのか? 』って思ってたの。日々忙しくて、やらなければいけないことは、たくさんある。それに追われてしまっていたんだよね」
Y:「そういえば、何か悩んでいたイメージがあるかも。確かに忙しかったなあ......。KAORIちゃんが、手芸作家になって活動するようになってから、いい顔するようになったなって思ってた」
K:「責任ある仕事を任されて充実していたけど、悩んでいる時間も多かったんだ」
手芸作家KAORIの活動

Y:「KAORIちゃんの活動内容を教えてくれるかな?」
K:「手芸作家として本格的に活動をスタートしたのは約1年前。大手デパートのショップフェスタで、ネコをモチーフにした作品を出品したり、フランスの雑貨店と取引したりしたのをきっかけに、注文が一気に増えたんだ」
Y:「作家デビューしたのはたった1年前なの!? 1年でずいぶんと状況が変わったんじゃない?」
K:「うん。an anに作品が掲載されたのをきっかけに、注文がかなり増えてきたね。今は、フランスの雑貨店2か所、国内だと雑貨店2か所(注:近日中に3か所へ拡大予定)、あとは、1年前と同じ百貨店のショップフェスタに出品したよ。おかげさまで、雑貨店でもすぐに売り切れになってしまって、在庫を切らさないように頑張って作品を作ってるんだ」
Y:「そういえば、最近内職さんの募集をしてたけど、今何人ぐらい内職さんを雇ってるの? 」
K:「今は......。6人かな? そのうち1人はうちのお母さんだけど(笑)。縫製をちゃんと勉強した人に内職をお願いしたいから、服飾の学校を卒業した人か現役の学生さんにお願いしてるんだ」
Y:「もう立派な作家だね。内職さんにはどんな作業をお願いしてるの? 」
K:「主にボディを作ってもらってる。顔は表情が難しいので自分でやってるよ」
Y:「売れ筋の作品は何?」
K:「最近はネコの作品。動物をモチーフにした作品以外もあるけど、ネコの作品が一番よく売れてるね。ネコは、イヌと違って作品にしやすいから、その点は助かってるけど(笑)」
趣味が仕事になって、ちょっと苦労していること
Y:「趣味が仕事になるって理想的なことだと思われてるけど、何か困ったことや苦労していることはあるかな? 」
K:「そうだね。さみしがり屋だから、一人孤独に家で作業してるとさみしい! たまに息抜きでカフェで作業したりしているけど、特に納期が迫っているときは、家で作業しているから外出できる時間が減って、ストレスたまっちゃう」
Y:「なるほど(笑)。会社員だった時は、周りに人いっぱいいるもんね。あのころ、楽しかったね」
K:「楽しかった! 職場は楽しくていい人たちばっかりだった。人に恵まれてたと思うよ」 Y:「他にはどんなことがある?」
K:「細かい作業を長時間やるので、一気に視力が下がったし、内職さんとのやり取りや、収支の計算などの事務仕事が大変。他には『これはまだありますか?』と問い合わせが来ること。うれしい悲鳴なんだけど、たくさん作品を作れないし、素材にも限りがある。同じ作品は、売り切れてしまうと、もう同じ素材で作品は作れないの。今のところ、雑貨店で販売している作品以外でリクエストに応えられるのは、オーダーのものだけなんだ」
手芸作家の活動で学ぶことも多い
Y:「フランスの雑貨店と取引してるでしょ? フランス語の勉強をはじめたんだね」
K:「基本的にやり取りは英語でしてるけど、最近フランス語を習いはじめたよ。フランス語の発音はむずかしいので苦労してる......」
Y:「フランスは芸術の国だけど、日本人と感性が違うって言ってたっけ」
K:「私の作品の写真を見て『これがほしい』とオーダーがあるんだけど、驚いたのはリクエストしてくる作品の大きさが日本人の感覚とずれてること。ぬいぐるみのつもりで作ったはずの作品なのに、それをアクセサリーにしてほしいと言われたっけ......。でも、美的感覚にとてもセンスがあるので、いろいろと勉強になるよ。あとは、雑貨店からの報告を聞くと、意外と男性が彼女へのプレゼントとして、買っていくことがちょっとした発見かな。動物をモチーフにしているけど、表情がリアルなので男性でも買いやすいみたい」
今後の野望は「さらに活動範囲を広げる」こと

Y:「今後の仕事に対する野望は?」
K:「もっと活動範囲を広げたい。取り扱ってくれる雑貨店を増やしたいな。あとは、すぐに売り切れてしまうことが多いので、生産性を上げたい。今は注文をこなすだけで時間がかかってるけど、落ち着いたら新作もどんどん作っていきたい!」
Y:「なるほど。何か具体的な目標を立てて行動してるのかな? 」
K:「うん。売上目標や納品する作品数など数字で目標を立ててるよ。おかげさまで、今のところ毎月100%目標を達成してるんだ」
Y:「すごいね! これからもがんばってね」
取材協力:
・KEORA KEORA
インタビューを終えて:
今回の主人公は初回の秋山あゆさんとは、ある意味正反対のイメージがある手芸作家のKAORIさんです。インタビュー中に触れているとおり、KAORIさんと私は以前同僚でした。彼女が新卒入社で同じ部署に配属されてきたとき「ずいぶんおっとりした、天然系の子が入ってきたな」と感じたのを覚えています。その頃は「デキレル女子」とはちょっと違う、なんとなくはかなげなイメージを抱いていました。
そんな彼女が手芸作家としてデビューし、今では内職さん6名を抱える「デキレル」女子になりました。
作家デビューをしてからの彼女に会うたび、どんどん表情が変わっていくのを感じていました。今では、彼女の作品を取り扱う雑貨店が順調に増え、内職さんにもお願いするほど、順調に手芸作家の道を歩んでいます。
KAORIさんはITエンジニアとして、責任ある仕事も任されていました。しかし、同時に忙しさに追われて悩んでいました。だれもが一度はそんな経験があると思います。手芸をはじめ、彼女は変わりました。自分なりの目標を持って力強く日々を過ごしてします。きっと今までと違うことを仕事にするという決断をした陰には、大きな葛藤もあったでしょう。それでも作家デビューを「思いキレ」たことがとても素晴らしいと思っています。
不安や葛藤はどんな人でも抱くものです。それでも、デキる瞬間、キレる瞬間があるはずです。その瞬間を見逃さないように日々を過ごしていきたいですね。
post by Ya-ko | 2009.09.28 19:00 | コメント(0) | トラックバック(0)
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