女社長漂流記
初期費用ゼロで「出版社」始めました vol.2
ただのデザイナーだった私が新会社法を使って社長になり、新事業を立ち上げた。 成功者ともキャリアウーマンともほど遠く、社会の荒波を漂流し続ける女社長・実録コラム。
短納期な仕事で叩き上げられているわたくし。「やってやるぜ!」って感じで
広告物の製作業で生計を立てつつ、どんなに忙しくても、金銭的に苦しくても、何か「面白い」ことを自主的に発信し続けなけなければ、どんなに真面目に仕事を続けていても「早い安い」の若手に負けるって言うのが私の持論。
そりゃーさ、名のある美術学校でも出てですよ、三大広告代理店の制作にでも入ってよ、著名な仕事でも残していれば話は別だと思いますが、こちとら高卒で給食のおばさんとして上京して来た叩き上げも叩き上げですよ。
(私の詳しい経緯はこちらをチェック☆)
大切なのは「おもしろい」かどうか
法人だからといって変に肩肘を張ったりせず、もっとアグレッシブに、インディペンデントに活動していかなくちゃって思ってる。せっせと頼まれてもいないブログを書いてみたり、ファッションブランドを立ち上げてみたり、フリーマガジンを発行してみたりするわけ。
コンセプトをより伝えるために発行したアパレルブランドと同名の自社フリーマガジン「complex gala.(コンプレックスガラ)」
大切なのは「面白い」かどうか。
それでなおかつ、個人では出来ないことを法人として手伝うことができれば良いなって。だから、著者が自分じゃないからって、出版事業を始めることには何の抵抗もなかった。
初期費用はゼロ円
とはいえ、「金ならない」でおなじみの(?)yours-storeだ。うちの会社の主な事業は製作。制作費ならほぼゼロに出来る。(少なくとも初期費用としては)
著者印税はもちろん、利益が出るまではお預け。編集は私がやって、エディトリアルデザインは友達に「出世払い」でお願いする。校正は著者、私、デザイナーが行うのは当たり前。ライターの友達に「事務所に遊びにおいでよ」と言いつつ手伝ってもらう。

発売元(うちは発行元)と合同で行った初めてのTシャツのワークショップイベント
書店営業や流通(発売元と言います)は、以前勤めていた出版社にお願いした。手数料などのコストは売上から差し引いてもらうことにして、とりあえず出費なし。
そして問題の印刷費。全校の本屋さんの棚に置いてもらいたいなら、全店に置かれなくたって最低3,000〜5,000部は印刷しなくちゃならない。
さぁどーする。
何度も書くようだけど、「金ならない」でおなじみだ。私の行動パターンは決まっている。印刷屋さんと直接交渉するしかない。
「すんません、分割払いできませんか? 私、逃げないんで」
印刷屋さんに何の得があるのかさっぱり分らない申し出なのにも関わらず、書籍印刷費の請求を分割払いしてもらうことに成功。これで出版事業の立ち上げ費用=ゼロ!「金がないから本が出せない」という逃げ道はなくなったってわけだ。
店でも作るか
2009年4月。2冊目に発行したTシャツブランドを作るためのHow to本は、なかなか評判が良かった。(1冊目については聞かないで!)初版5,000部はあっという間に全国の書店へ飛んでいき、増版が決定した。
※ただし、本の販売は委託が基本なので、重版したからって売上に直結するとは限らない
2冊目にして手応えのあった「作って売って喰う!HEADGOONIE SCHOOL T‐SHIRTS BOOK--Tシャツブランドをつくる入門編 (就職しないで生きるには?) (単行本)」
この路線のHow to本ならそこそこ売れるってことが分った。では、この勢いが止まらないうちに次の手を打たなくては。
忘れもしないゴールデンウィーク明け。田舎で山菜採りをするために帰省していた私が、久しぶりに事務所へ顔を出した時のことだ。いつも通り、事務所のシェアメイトであり、あのTシャツ本の著者が掃除※をしながらこう言った。
※私は事務所の掃除をしない
著「良いこと思いついちゃったんですけど」
コ「なんですか?」
著「Tシャツブランドを作る本が売れたじゃないですか」
コ「手応えは良いよね」
著「店を作る本、良いと思うんですけど」
コ「いいですね」
著「でも店がないですよね」
はい、もう分ってますね。
「金ならない」おなじみの(!)yours-storeですよ。
コ「しょうがねぇ、融資でも貰って店でも作るか」

TSUTAYA TOKYO ROPPONGIのオフィシャルイベントとして行われた出版記念ワークショップイベントでは司会も担当。
時は2009年5月。出版事業の印刷代もまだ払えてないって言うのに「融資が貰えたら、店でも作って本でも出すか」とサブプライムローン問題やらなんやらで、世界的な大不況という荒波の中、小さな泥舟が出港した。客観的に見れば、どう考えても大波乱間違いなしの雲行きを漂わせ。
株式会社yours-storeの社員はわたしだけ。
たったひとりの会社だけど地道に3年目を向かえている。このまま地道に行くのなら、それこそ個人事業主で良いわけで、信用と実績で身の丈を伸ばしていくのがきっと「会社」で「社長」でしょ。
はてさて、私の「社長力」ったらおいくらほど?
コヤナギユウ | 2010.03.03 21:00 | コメント(2)
















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