コラム

女社長漂流記

レビュー・瀕死必至 新書のオンナ学【女社長漂流記 乙 vol.11】

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EX071
作品として書くイラストは「女」オーラがムンムンなのに、書き手の私はすべて吸い取られてしまっている気がします

目を覆いたくなる現実と、背を向けたくなる指摘。
打ちのめされまくった後は、なんだか爽快でーす



先日旅行先でレンタサイクルを利用して、友人と田舎道を自転車で爆走した。
ジャスコを横目に見ながら友人の背中を追いかけるサイクリングは、なんというか「青春」そのものでつかの間の十代気分を楽しんでいると、向かいから初々しい本物の高校生カップル(二人乗り)が自転車で登場。青春の自転車の楽しみ方はきっとソレが最上級です。参りました。眩しい。

自分たちの半分ほどの年齢しかない本物の瑞々しさを見せつけられ、なんとも言えない気分になる。

ええい!
年齢なんて単なるナンバーだって言うじゃない。
大人になったって初々しくて瑞々しい恋愛を期待していちゃいけないの!?


「いい男」がいない理由を知って、モテない自分を肯定したい!

なぜ日本にはいい男がいないのか 21の理由

なぜ日本にはいい男がいないのか 21の理由
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(新書)
 著者:森川 友義 出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン 発売日:2007/2/25



新書ってやつが嫌いだ。

新書とは文庫本よりややタテに長く、書籍より安い装丁の本だ。
書かれている内容は様々なのだが、その携帯しやすい装丁からか大人向けの内容が多く、ビジネスマンのお供という感じで敬遠していた。
私だってビジネスマンなのだが、そのまえに深刻な天の邪鬼なのだ。

誰だって残酷な現実を突きつけられるのは嫌いだ。
ことに年齢を問わない永遠の乙女は夢の中で生きていたい。

典型的なピーターパン症候群を患っている私に1冊の本が回ってきた。

『なぜ日本にはいい男がいないのか 21の理由』
政治学博士である著者が「恋愛脳は政治脳だ」として、統計学などを用い、日本にいい男がいない理由を「社会が悪い」「男が悪い」「女が悪い」とひも解いているそうだ。

……気になる!
奇しくもちょうど、ここのコラムで“感情論に流されっぱなしの理論的風な「恋愛プロ論」”という独自の視点で良い男がいない理由を書いたばかりだった。

もう「いい男」がいない理由を知って、モテない自分を肯定したい!
うんうんと深くうなずいて、慰めてほしいじゃないか!

印象に残った理由をいくつか書くと、「日本の学校教育は、いい男がはみ出す教育」だとか、「はるか昔、日本は極寒地だったため、セックスにかける時間が短い」「テストステロン(男性ホルモン)が旺盛だと右手の人差し指と中指の差が大きい」などなど…・・・。

その結論や着眼点、調査方法には賛否両論あれど、恋にまつわる雑学本としてはかなり興味深く、夢中になって一気に読み終わった。

しかし結局、「いい男がいない理由」を他人のせいだけなんかにはできるわけもなく、読んだ後にはがっくりとした絶望感。

なにより私の頭をこれでもうなだれさせたのは、「白馬に乗った王子さまと出会う確率」!

これは…もう…読んでもらって、その天文学的な数字に現実を見た方が、火を見るより明らかに、幸せが近づく予感です。

地に足をつけることが大切とはいうことは知っているけれど、理想に向かって背伸びすることのほうが大切と思っていた私には、金槌で頭を打たれた衝撃です。

夢見る少女じゃいられないっす。
でも出来ることがあるのは幸せなことだな。

……強がりました。





300万人が支持するモテる女が「持ってる」品格

女性の品格 (PHP新書)


女性の品格 (PHP新書)
(新書)
 著者: 坂東 眞理子 出版社: PHP研究所 発売日: 2006/9/16



ベストセラーってやつが嫌いだ。

みんなが読んで、みんなに支持されているのに、乗り逃したのがいちばん気に食わない。

この本は98年に女性初の総領事(オーストラリア・ブリスベン)に就任し、内閣府男女共同参画局長(漢字多いな)を歴任するなど女性政策に携わりつづけた著者による、働く女性に向けた新しい価値観と女性としての振舞い方を提示してくれている。

冒頭の「はじめに」では、
私は女性が社会に進出し活躍することが必要だと信じていますが、それは従来の男性とは異なる価値観、人間を大切にするよき女性らしさを社会や職場に持ち込んでほしいと思うからです。女性が社会に進出しても、「できる女」を目指し有能なやり手ばかり増えるのは淋しいことです

と書かれており、うんうんと頷けたのはここまで。

この本は「知ってはいるけれど、出来てないこと」をズバズバ切り裂いていく。

私の中に何人も飼っている「見て見ぬ振りのダメ小人」をザックザックと辻斬りしていくのだ。

「宿題やったの?」
「いまやろうと思ったところ!」

そんな懐かしい掛け合いも思い出の彼方に、現在のダメな私が浮き彫りにされる。
しっかり引いたアイラインだって「いつかやろうと思ったの~」と泣きべそでグチャグチャになること必至だ。

この本をいつか全編通して「うんうん」と頷ける日が来るまで、時折読み返してはダメ小人の辻斬りを行おう。

そして300万部も売れているということは、およそ300万人が少なくともこの価値観を目にしたということ。

恐ろしすぎるけれど、出来ているかいないかを問わず、300万人がしなやかで強い女性の条件を知っているっていうことだ。
遠くない将来、「女性の品格」を手に入れたいいオンナが社会にわんさかと溢れるまえに、私も今度こそ乗り逃さないと心に誓う。

いやー、でも遠いねぇ~。
あいたたたた……

知ってるよ、すでに随分先に出航しちゃっていて乗り逃してるんでしょ、あたし。
だってあんまり遠すぎるんだもん。

目次でもう溺死しそうです……せんせい……




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コヤナギユウ


イラストレーター・デザイナー・プランナー・エディター。(株)yours-store代表取締役。77年新潟生まれ。路上でイラストポストカードを販売、 口コミで話題になり21歳で画集「and you.」(サンクチュアリ出版)を出版。渡米以後雑誌連載、グッツ展開を経てデザイナーに転身。2007年より法人化。2010年、下北沢にリアル店舗 「yours-store」を構え、同年に12年ぶりの著書を出版。
BLOG:i live you
TWITTER:KoyanagiYu
COLUMN:女社長漂流記 乙

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