コラム

女社長漂流記

「正しい」という暴力、「イイコト」の取説【女社長漂流記 乙 vol.08】

このエントリーをはてなブックマークに追加

写真(2011-04-27-19
今やライフワークとなっている、デスク前の自分撮りは続けてます。心身ともに傾きっぱなしの2011年、4月のわたくし

相手の都合をかえりみずに「正義」を振りかざせばそれは暴力になる。
そんな「イイコト」はカッコワルい。



新連載「女社長漂流記 乙(オツ)」スタート!



ん?
おやおや!?

今までの
ただのデザイナーだったコヤナギユウが新会社法を使って社長になり、新事業を立ち上げた。 成功者ともキャリアウーマンともほど遠く、社会の荒波を漂流し続ける女社長・実録コラム。

は、どこいった?

……と、思っていただけていたら幸いです。
でもゴメンナサイ。

2009年に「革命」と呼ぶに相応しき、金銭&事業のピンチを
赤裸々に綴っていた連載コラム「女社長漂流記」は、
時間が空きすぎて自分の中の旬が過ぎてしまい書くことができなくなりました。

しかしながら、相変わらず「社長ってナニ?」「あたし、いつになれば一人前なの?」と人生という大海原での漂流を続けております。(岸はドコダー!!!)

というわけで、
心機一転! 名前も新たにコラム連載を再スタートさせていただこうと思います。

その名も
「女社長漂流記 乙(オツ)」!!!

まぁ、私の人生に大きく作用した「ドラゴンボール」へのオマージュと、オツカレなオツです。



そもそも、今までのコラムでネタにしていた
“「革命」と呼ぶに相応しき、金銭&事業のピンチ”
だって、一人っきりで起こした事件じゃない。

私がいて、少なくとも相手がいる。
そして私にも仲間がいて、相手にも仲間がいて、
さらに仲立ちする人、関係者、たくさん人のたくさんの気持ちが交錯するものだ。

私の口から語れば「個人的な出来事」だけど、出来事自体は私ひとりでは収まらない。

おまけに、だいたいのいざこざは、双方の見解「イイコト」が噛み合ないことから起こるものだ。


「イイコト」ってなんだろう



「イイコト」は個人規模の言い争いに留まらない。

社会的、環境的に「イイコト」を推し薦める活動も、最近よく見るようになった。
世の中の「オカシナコト」に声を上げ、出来ることをするのは確かに「イイコト」だと思う。

私が初めて個人規模を越えた「イイコト」に興味を持ったのは社会人になってだいぶ経ち、
インターネットで坂本教授(坂本龍一)のWEB SITEを見た時だった。

坂本教授のオフィシャルサイトはメッセージ性が強く、
そのときいちばん伝えたいことがオープニングで出て来る仕組みだった。

雑誌『ソトコト』が創刊された頃、
教授は社会貢献活動に力を入れ始め、メッセージはこう出ていた。


「正しいことがカッコワルいというのは罪である」


だから「正しいこと」を格好良くするのはメディアの役目だ、
みたいなことが書かれていたように思う。(記憶だが)

デザイナーとして駆け出しだった私には衝撃的だった。
確かに真面目臭いことはカッコワルい、と。

環境、人権、食の問題、地域活性に、動物保護、温暖化……

それから自分なりに「イイコト」を考えてみたのだが、なぜだかどうも気が進まない。
むしろ調べれば調べるほどに食傷するのだ。
ぼんやりとした嫌悪感を感じる。
それはなぜだろう。



「正義」は暴力になる



根っからの悪人、という人はいるのだろうけど、幸い私は会ったことがない。
年間の名刺消費量を考えると社会に出てから3000人とは会ってることになるが、
それでもだいたい、みんな「本当は良い人」だ。

良いことをしたい気持ちを持ちつつも、それが結果として現れてないだけで、
誰だって、私だって、世の中を滅ぼして地球をめちゃくちゃにしてやろうだなんて思ってやしない。

けれど「このままじゃいけないこと」は無限にある。
そして「ひとりひとりができること」も無限にある。
それでいて「そうもいかない」理由もそれぞれある。
そこには、視野が広ければ広いほど、秘めた罪悪感もあるだろう。

「正しいこと」には絶対的なチカラがある。

だって正しいんだ。
話が分かる「本当は良い人」の胸になら平等に響く。
けれど、忘れてはいけないのは、それでいて「そうもいかない」理由もそれぞれある、ということ。

正しい価値観を手に入れて、
身体中に衝撃が走って、
目から鱗が落ちて、
誰かに伝えたくなる。

それ自体はとってもすばらしいことだけれど、
相手の都合をかえりみずに「正義」を振りかざせばそれは暴力になる。

知らずと、責めてしまうことになる。


続ける力、伝える力。楽しいを伝えてみんなを巻き込もう



だれでも出来る「イイコト」は続けられなければ意味がない。
相手を選んで垣根を高くしても仕方がない。
話が通じないからって、孤立しては本末転倒なのだ。

だから、大それた大義名分なんていらないのだ。
生活の中の楽しみとして組み込めるような、ちょっとしたことから始めれば良いんだと思う。
楽しんでいれば、続けられるし、楽しいことはいちばん伝達する。

正しいことを振りかざして相手を傷つけるんじゃなく、楽しいを伝えてみんなを巻き込むんだ。

そうすれば、「イイコト」やひいては私自身も、自然と「カッコヨく」なるのかな、
というのが教授のメッセージを受けて数年後の私が出した結論。

だから、自分の失敗談と見せかけて、
誰かを傷つけずにはいられないような連載は続けられないってわけ。

でもそんなことより、
3000人も会って来て未だに「王子さま」を見つけられてない私にビックリ!

くっそー、イイコトで楽しく輝いて、イイヒトも見つけるぞ!



01

コヤナギユウ


イラストレーター・デザイナー・プランナー・エディター。(株)yours-store代表取締役。77年新潟生まれ。路上でイラストポストカードを販売、 口コミで話題になり21歳で画集「and you.」(サンクチュアリ出版)を出版。渡米以後雑誌連載、グッツ展開を経てデザイナーに転身。2007年より法人化。2010年、下北沢にリアル店舗 「yours-store」を構え、同年に12年ぶりの著書を出版。
BLOG:i live you
TWITTER:KoyanagiYu
COLUMN:女社長漂流記 乙

ページトップ

人気ブログランキングへ ブログパーツ