デートインタビュー
web業界の才女と横浜・元町でおしゃれにデート! コード × 閑歳孝子【前編】

通勤電車の中でコードを書いちゃう時もあります。
LUMIX GF3と一緒に出かけるギーク女子とのデート企画・第5弾に登場するのは、webエンジニア&プランナーの閑歳孝子さん。会社勤務の傍らで「Retwetter!」や「Smillie!」など注目のアプリを個人でも次々と手掛ける、web業界では知る人ぞ知る存在だ。バリバリの理系かと思いきや、ふんわり文系的なマイペースさも漂う、そんな閑歳さんと週末の横浜・元町でハイカラな写真散歩へ!
作りたいモノがあるからコードを書く、ただそれだけ。
――そもそも、webのアプリ開発に興味をもったきっかけは?
大学時代に、友人どうしで学生限定のSNSのようなサービスを立ち上げたのが最初です。その頃は自分でコードが書けるわけじゃなかったんですが、学校の中で「これ便利だね」という声が聞こえてくるのが楽しくて。これが原体験ですね。



まずは腹ごしらえ!ということで向かったのは、元町の裏通りにある日本茶専門店「茶倉」。隠れ家のような素敵な店の佇まいに、思わずパチリ。下の2枚が閑歳さん撮影、カッコいいです。
――その後エンジニアへの道をまっしぐら、かと思いきや、日経BP社に就職してIT専門誌の記者になったんですよね。
そのままweb業界に進むのも直球すぎるかな~と思って、その業界にも関われる専門誌の仕事を選んだのですが、やっぱりwebの現場も捨てがたくて。3年間の記者生活の後、知人のweb開発会社に誘われて転職しました。
――コード(プログラム言語)を覚え始めたのも、その頃?
そうですね。当時はwebサービスを考案するディレクター職で、A3の紙にサービス画面のレイアウトをワーッと書いたりして。そのうち「ソースコードも自分でいじれた方が早いじゃん」と思い始めて、会社の人に質問したりしながら独学で覚えました。

「茶倉」のランチプレートを、食べる前にまず撮影。

編集部が頼んだ茶そばプレートは、豆乳のタレがとろーんとして美味しそう!
――コードって、最初はとっつきにくくなかったんですか?
うーん……学生の頃には、友人のプログラマーが書いたコードを見て「うわ、自分にはムリ」と思いましたけど(笑)。この時は、周りに質問できるエンジニアの人がたくさんいましたからね。自分が作りたい!と思い描くアプリが頭の中にあって、それを形にするためにコードを覚えた、という感じでした。
――そもそも、webアプリの開発にそんなに惹かれる理由って何なんですか?
私、アプリのインターフェイス(画面)を考えている時が一番楽しいんですよ。ボタンの配置とか、使い勝手のよさとか。他のアプリのインターフェイスを見て、開発した人の意図が見えたりするとワクワクしますね。あっ、ほらこのLUMIX GF3のタッチパネルも……(とカメラをいじり始める)


LUMIX GF3のタッチパネルを興味深そうに触る閑歳さん。「最小限のボタンだけが並んでいるから、感覚的に操作しやすい。こういうシンプルなインターフェイスはいいですね!」


「電源を入れた時に操作説明が最初に出てくるのも、親切でポイント高いですね~」。カメラを見る視点が、すでに開発者側になっています。
最初に世に出したアプリは、自分の結婚式の時に思いつきました。

ランチの店を出た後、道端で出合ったハマっ子の猫。「旅行に出るとよく写真を撮るんですが、特に動物の写真は好きですね。いろいろ撮っちゃう!」。学生時代にはトロントに短期留学した経験もある閑歳さん、今も年に数回の旅行が大事な息抜きになっているとか。

デート当日は、見事な真夏日! 太陽が眩しく輝く元町のメインストリートを歩き始めます。落ち着いた街並みは、どこを切り取ってもフォトジェニック。
――閑歳さんの名前がweb業界で知られるようになったのは、写真アプリの「Smillie!」がきっかけなんですよね。※Smillie!…携帯電話からアップした写真データをweb上でスライドショー表示できる無料サービス。http://smillie.jp/
あれは自分の結婚式の時に、「こんなサービスがあったらいいな」と思いついたんです。でも「新婦が自分の結婚式用に作った」と思われるのが嫌で(笑)、その時はアイディアだけで終わりました。その後、正式にリリースしたのが2008年ですね。大学当時の友達と3人で作りました。一般の人に使ってもらうように設計・開発した最初のサービスです。

ふと目についた喫茶店の前で撮影。閑歳さん、何か気になるものがありました?

開港当時の横浜が描かれた、なんともクラシックなコーヒーカップ! ショーケース越しに撮影しても色鮮やかです。
――パッとした思いつきを、実際にカタチにしてしまう情熱がすごいですね!
勢いというか、思いつくと作りたくなっちゃうんでしょうね。今まで個人名で手掛けたサービスは5~6個ぐらいかな? 朝の通勤電車の中でノートPCを広げて、コードをカタカタ書いている時もありますよ(笑)。

続いて立ち寄ったのは、閑歳さんお気に入りの紅茶専門店「ラ・テイエール」。



いつもはお買い物をするだけだった店内を、許可を頂いて店内をパシャパシャ。


こちらが閑歳さんの撮った写真達。ポップに写っていますね!



「ここの“デュエット”というブレンド紅茶が、マスカット風味でおいしいんですよ。スコーンもおすすめ!」。横浜在住だけあって、時々買いにくるのだとか。
――それだけのサービス開発を個人でこなしながら、普段はweb開発会社の社員として仕事を続けている。
そうです、平日は会社の仕事としてwebサービス構築に関わっているので、個人のアプリ開発に割ける時間は基本的に週末ですね。ウチは夫もweb関連の仕事をしているので、週末に夫婦で各自ノートPCを抱えてスタバに行って、向かい合って作業して過ごす、なんて時もあります。アプリを作っている時間は、苦にならないですね。
――独立起業しよう、とは思わない?
う~ん、今のところ考えていないんですよね。会社化すると、お金の管理とか色々考えることが増えちゃうので。ひとりでコツコツ、好きなサービスを作っているのが好きなんです。

LUMIX GF3のハイコントラストモードで撮った元町のメインストリート。「なんだかヨーロッパの街並みっぽくないですか!?」。たしかに、石畳と建物のカラフルさが異国情緒満点です!

こんなベロタクシーが自然になじむのも、異国的な元町ならでは。ん? 交通整理しているお姉さんも、なんだかキュートじゃないですか?

交通整理のお姉さんたちが気になり、声をかけちゃいました。元町商店街の交通整理や観光案内を担当する彼女たちは「元町ライトフェニックス」と呼ばれ、地元のシンボル的存在なんだとか。

撮影に快く応じてくれた、元町ライトフェニックスのお二人(撮影by閑歳さん)。お忙しいところ、ありがとうございました~!

話題になるアプリをたった一人で次々作ってしまうのに、なんだかおっとりマイペース。
後半では、そんな閑歳さんのさらなるディープサイドに迫ります!