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女性3人で活動11年-料理創作ユニット「Goma(ゴマ)」インタビュー

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 アラキミカ、遠藤順子、中村亮子による料理創作ユニット「Goma(ゴマ)」。 食をテーマにした料理と雑貨のデザイン、書籍や絵本の制作、イベントのケータリング、ワークショップや展示会の開催、 2006年にはNHK教育テレビで食育番組のコーナーを持つなど、多岐に渡る活動を続けています。
 女性3人でユニットを続けていくって、どういうことなんだろう?今年で活動11年というGomaに、いろんなお話を伺ってきました。

取材:トミモトリエ



ユニットっていうのが流行っていたので


──Gomaという料理創作ユニットをはじめたきっかけを教えて下さい。

中村:わたしとアラキはいとこ同士なので昔から一緒にいて、遠藤と出合ったのはGomaをはじめる1~2年前。 よく、友達同士の集まりで、ごはん会をしたり、ピクニックしたりして、そういう時にいつもごはん係だったのがこの3人で・・・

遠藤:今年で活動11年目なんで、12~3年前くらいの話?当時わたしは学生で、中村も大学生で、アラキはフリーターでした。

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左から、中村さん、アラキさん、遠藤さん

──料理創作ユニットとして仕事につなげていこうと思ったきっかけは?

中村:最初はそれを仕事にしようとは思っていなくて、当時周りでユニットっていうのが流行っていたので、なんとなく「Goma」っていうユニット名をつけてみたんです。 で、せっかくだからお披露目会をしようと思って、ちょうどクリスマス時期だったので、お披露目会を兼ねたクリスマスパーティーをしたのがはじまり。

──遊びの延長線だったんですね。

中村:そのお披露目パーティーに来ていた友達の1人が「自分が関係している雑誌でイベントやるんだけど、何かやってみる?」って声かけてくれて、その雑誌のイベントで、 フードスペースとして参加することになったんです。


食べ方やシチュエーションで新しい驚きをつくる


──料理の勉強はしていたんですか?

アラキ:いや、全然。わたしたち、すごく料理が得意だったわけでもなくて、 パーティーのテーマだったり、その人に合わせたケーキをつくるというのが好きだったんです。 特に料理の勉強はしていなくて、出し方とか、スタイリングとか、会場のつくりかたにこだわるというか・・・

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カワイイ雑貨に囲まれたGomaのアトリエ

──じゃあ完全に独学ですか?

中村:独学ですね。元々「料理が好きな女の子」程度の知識と技術はあったんですけど、 Gomaの場合は、料理の技術を追求するより、テーマに沿ったイメージをつくっていく、ものづくりの感覚なんです。 味に対しても同じで、素材の組み合わせも、頭の中のイメージで組み立てていく感じ。

アラキ:だから、料理としてすごいものはできないんですけど、食べ方やシチュエーションで新しい驚きをつくるのがわたしたちのやり方。

中村:活動をはじめた頃に自分たちでつくったハンコに、「Goma makes atmosphere with you.」って書いたんですけど、 atmosphereは空気とか雰囲気とかぼんやりした意味で、「Gomaは、あなたと一緒に雰囲気をつくる」という趣旨なんです。

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「ゴマのパリとこどもとキュイジーヌ」に掲載されているドミノサンドのテーブル(photo by hisashi tokuyoshi)

──自分たちの中で得意なものとか、表現方法とかありますか?

中村:例えば、ケーキ製作のお仕事を頼まれたときに「わたしたちは、パティシエのつくるような、美しいケーキはつくれません。 ゆがみとか手作り感が出ますが、そういうのが出ちゃってもいいですか?」と、確認するんですけど、 そこがある意味Gomaらしさに近いかもしれない。まあ大体頼んで下さる人は、元々そういうのを望んでる人が多いのですが・・・

アラキ:あと、Gomaの特徴として言えるのは、カラフルな色使いをしてるというところ。

遠藤:ファッション誌の仕事も何度かやってますが、そういうのは、普通のおいしそうなケーキというより、 ビジュアル的に目を引く面白いものを求めてることが多いですね。 絵本にあるようなものとか・・・

アラキ:よく撮影用っていうと、中は発砲スチロールだったり、食べれないものだったりするんですけど、わたしたちは、 全部ちゃんと食べれるもの、食べておいしいものをつくってます(笑)

──確かに、gomaの作品の魅力は、ゆがみとか手作り感があるところですね。まるで子供がつくったような・・・

中村:得意というより、それしかできないんです(笑)

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雑誌「みづゑ」の中で作った、ミッフィー生誕50周年を記念のバースデーケーキ


女性のグループで11年続くって珍しい


──活動していく中で大きな転機とかありましたか?

遠藤:大きな転機っていうのがあまりなかったんですよね。最初にやった雑誌のイベントで、来ていたお客さんにまた声をかけられて・・・という感じで 次の仕事につながっていったので。 営業っていうのをしたことがなくて・・・。今思えば本当に運がよかった(笑) 
その頃は料理ユニットって存在があまりいなくて、ハシリ的な感じだったので、コンスタントに仕事が入ってきました。

──学生の時は両立が大変だったんじゃないですか?

中村:そうですね。大学4年生の時に、週末はずっとGomaの活動をやっていて、 就職活動もできませんでした(笑) 
結局、「このままGomaとしてがんばってみよう」って皆で決めて、最初は中野にあるマンションの一室に小さなアトリエを構えて出発しました。

遠藤:わたしは、一度就職して、2年くらい仕事と両立しながら活動してたんですけど、Gomaの活動が週末だけじゃ収まらなくなってきて、 身体を壊してしまって。で、やりたいのは会社の仕事じゃないと思って、Gomaに専念することにしました。

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雰囲気も話し方もそっくりな3人、一緒にいるうちに似てしまったらしい

──Gomaを会社にはしないんですか?

中村:そうですね、会社にはしていなくて、全員フリーランスという形でやってます。でもお給料制で、普通に土日休みで出勤時間も決まっていて、 そのへんは会社っぽいルールでやってます。

アラキ:最初は、休みも終わる時間も決めてなかったから、ダラダラとエンドレスで続けてしまったんですけど、 「そういうのよくないからちゃんとメリハリつけよう!」って、ルールをつくったんです。

──3人の役割を教えてください。

遠藤:わたしは、雑貨をつくるときに、形を起こして、パターン引いたりっていうのをやってます。 元々、学生の時は服飾の勉強をしていて、前の会社もアパレルだったので。

中村:アラキはアートディレクター的な感じで、Gomaのイラストは全部彼女が書いてるんですよ。

アラキ:中村はパソコン上でデザインしたり、文章書いたり、やりとりしたり。料理とか、企画を考えるのは3人でやります。 そのへんも、最初はあやふやだったのが、10年以上かかってやっとはっきりしてきた感じ。

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Gomaらしいカワイイイラストが入ったキープフードネット

──会社ではなく、ユニットとして11年一緒に活動するってすごいですよね。特に女の子のユニットって長く続かないイメージがあるので。

中村・アラキ・遠藤:あ、確かに・・・

アラキ:それは確かにそうですね。わたし子供がいるんですけど、途中で子供できたりすると、辞めちゃう人多いじゃないですか。 だから、こうやって長く続けていけてるのって、自分でもすごいなって思います。

遠藤:女の人は、結婚とか出産とか関わってくると、なかなか続かない。 だから、女のグループで11年も続けるのは珍しいってよく言われます。 バンドだったらよく解散しますしね(笑)

アラキ:そこは理解力があるからですね。自分だけ先に子供産むと、遠慮しちゃうじゃないですか。でも、逆に「こうしたい」っていうのを何でも言うようにして、 今は子供も連れてきて一緒に面倒見てもらってます。そこは「女でよかった」って思いますね。

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ワークショップグッズのクッキーブローチ

──喧嘩したりもします?

アラキ:中村とはいとこなので、姉妹みたいな喧嘩をします(笑) 仕事に関しては、より良いものをつくるために、 3人で意見のぶつけ合いをするようにしてます。でも、特にリーダーを決めていないので、話し合いがすんなりいかないこともありますね。


来年は「おっぱい展」をやります

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2009年11月17日に発売された「Gomaのてづくり歳時記」(講談社)

──本をたくさん出してますよね。今何冊出ているんでしょうか?

アラキ:つい最近新しい7冊目が出たばっかりなんです。 講談社から出ている「おともだち」という幼児向け雑誌についてる母親向けの小冊子に連載していたものを一冊にまとめたものです。

中村:「Gomaのてづくり歳時記」というタイトルにあるように、季節ごとの行事の意味や、 Goma風にアレンジした楽しみ方を紹介しています。一応親子向けの本ではあるんですが、いろんな人に手作りする楽しさを知ってほしい思いで作っています。 昔ながらの行事って、意外に知らないことも多くて、作りながら自分たちでも面白かったですね。

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親子で歳時記を楽しむいろんなものづくりと豆知識が紹介されています

──ワークショップや展示会もよくやっていると思いますが、最近やった「失恋展」はどうでしたか?

中村:最終的には1週間で500人ぐらいのお客さんが来てくれたので、 年末の忙しい時期としては、まずまずだったなあと。

アラキ:テーマが「失恋」だったんですけど、出展してくれた人たちが、すでに乗り越えた失恋を扱っていたので、 引きずり感がなく、すがすがしさがあったのかもしれない。お客さんに、「失恋もいいなと思いました」って言われたりしました。

切ないのにほっこり、Gomaの失恋スープも味わえる「失恋展」レポート

──コラボレーションしているアーティストの方々とは、どういうつながりなんでしょうか?

アラキ:Gomaをはじめて知り合った人たちが多いですね。わたしたちって、王道の料理界の人たちと仕事することがなくて、 どちらかと言うと、カルチャー雑誌とかファッション雑誌とか、イベントもアートイベントの中にフードが入るというものばかりで、 そういう所で知り合った人たちです。

遠藤:Gomaの仕事は、誰にたのんでいいのかわからないとか、そういうものが多い。まさに隙間産業って言ってるんですけど(笑)
だから、いろんなジャンルのクリエイターの方と出会う機会も多いです。

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Gomaのホームページ

──Gomaはホームページもかわいいですよね。あの切り絵みたいなデザインは自分たちでつくってるんですか?

中村:ちょうど、リニューアルして1年なんですけど、ウェブデザイナーさんに相談して一緒に作ってもらいました。 デザインとかモチーフで使っている切り絵は自分たちで作っています。

アラキ:あの切り絵は「ゴメット」って言って、フランスで子供たちが幾何学な模様を切り絵にするっていう遊びがあるんです。 フランスにいったときに、Gomaのことを「ゴメット」と友人が愛称を名付けてくれて、名前も似てるし、面白いなと思って、ホームページのデザインにも採用しました。

中村:実際自分たちでアナログに紙を切ったものをスキャンしてもらってるんですけど、手作業でつくったものなので線がゆがんでる。 でも、あのフリーハンドで切ったゆがみが自分たちらしいなと思ってます。

──今後の活動について教えてください。

中村:本の企画ははあたためてるものもあるので、コンスタントにやっていきたいなと思ってます。 あとは、美術館などでのワークショップも増えてきて、自分たちでも楽しいのでもっとたくさんやっていきたいですね。
あとは、普通に旅とかしたいね(笑)

アラキ:そして、今年の春から展示3部作として「初恋展」「失恋展」をやってきたんですけど、来年は「おっぱい展」をやります。 まだ企画がかたまってないので構想段階ですけど・・・
ぜひやりたいと思っているので楽しみにしていて下さい(笑)

Goma公式サイト

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goma Goma

アラキミカ、遠藤順子、中村亮子からなる1998 年結成の料理創作ユニット。
イベント会場への料理ケータリングを中心に活動を 開始し、現在は、雑貨デザイン、雑誌、単行本、web 上での作品発表、企業への商品アドバイザー、もの 作りワークショップ開催など多彩なフィールドで活 動中。フード提案から雑貨製作、イラストまで全て 自分たちでこなす。2002~2005年にはフランスでフー ドや雑貨の展覧会を開催し、2006年にはNHK教育テレ ビで食育番組のコーナーを持つなど活動の幅を広げ ている。著書に『Gomaのパリとこどもとキュイジー ヌ』(主婦の友社)、『Gomaと子どものものづく り』(講談社)。近著に『Gomaのてづくり歳時記』 (講談社)。

Goma公式サイト
Gomaのてづくり歳時記 「Gomaのてづくり歳時記」

出版社: 講談社
価格 1,365円(税込)
Gomaと子どものものづくり 「Gomaと子どものものづくり」

出版社: 講談社
価格 1,575円(税込)

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