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世界を魅了するダンサー・振付家 康本雅子インタビュー

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康本雅子
ダンサー・振付家として、圧倒的な存在感で人々を魅了させる康本雅子さん。
舞台や、ミュージックビデオの振付だけでなくファッションショーやコスメのCMに出演するなど活動の幅は広く、コンテンポラリーダンス界や音楽業界で注目を浴びる女性です。
有名な作品は、Mr.Childrenの「箒星」や一青窈の「指切り」のミュージックビデオ。また松尾スズキが手がける舞台や映画「恋の門」の振付なども担当しました。

最近は、子育て中であまり外に出られないという康本さんですが、ご自宅にお伺いしてお話を伺ってきました。

中高生の頃は、ディスコに通うギャルでした


──ダンスをはじめたきっかけを教えてください。

中学、高校とダンス部に所属していたんです。部活でやるのは普通の創作ダンスだったんですけど、中学3年生の終わり頃からディスコに通いはじめて、そこで新しい世界を知ったというか・・・

──中学生でディスコですか!?

いやー、遊んでましたね。今とテンション違いましたよ。ギャルでした。ルーズソックスはいて・・・と言ってもその頃ルーズソックスなんて売ってなかったので、自分たちで普通のソックスをルーズにして履いてたんですけど。 髪型もワンレンで、お立ち台で踊ってました(笑)

康本雅子

──今では想像できないですね(笑)そもそも、中学生が出入りできるディスコなんてあったんですか?

その頃はあったんですよ。よく行ってたのは、渋谷のZIPとか新宿のニューヨーク・ニューヨーク。ニューヨーク・ニューヨークは、ビュッフェ食べ放題のディスコだったんです。 だから、ディスコ行くのが部活みたいなもので、ガーッと踊ってガーッと食べて帰ってくるみたいな。お酒とか一滴も飲まずに、ある意味健康的でしたよ。


葬儀屋のバイトしながら・・・


──ダンスを仕事にしようと思ったのはいつ頃なんですか?

高校を卒業してからは、映像の勉強をしに東京造形大学に入って、ダンスから一度離れたんです。
普通は、大学卒業して就職という流れだと思うんですが、わたしは中退して海外放浪していたので、仕事をするという実感が沸いていなくて・・・ だから、ダンスをずっと続けて仕事になっていったというよりは、ふと「仕事しなきゃ」と考えたときに、ダンスという選択肢が出てきたという感じでした。

康本雅子
2009年9月に行われた吾妻橋ダンスクロッシングにて、いとうせいこうと共演(撮影:濱田良平)

──そこからどうやって仕事につなげていったんですか?

いきなりフリーで仕事できるわけもないので、まずはダンサーの事務所を探したんです。
そこで唯一見つけたのが、パパイヤ鈴木さんのいる事務所で・・・あ、その頃はまだパパイヤさんじゃなくて普通の鈴木さんだったんですけど(笑)
その事務所に入れてもらうことになったんですが、最初はすぐに仕事が入るわけでもないので、オーディションを受けて、たまにバックダンサーの仕事をしながら、同時に自分の作品もつくっていました。

──その頃は他にバイトとかしてました?

葬儀屋のバイトとかしてました(笑) 葬儀屋のバイトの良かったところは、スケジュール突然入るんですよ。「明日入れる?」って連絡が来て、空いてたら行くし、そこで断ることもできる。 スケジュールが決められないわたしとしてはちょうど良かったんです。


日常的な動作や邪魔な動作が入ることによってダンスが栄える


──数々のミュージックビデオなどで振付を担当していると思いますが、そういった仕事が入ってくるようになったきっかけは?

仕事になり始めてから今年で10年目くらいなんですけど、ダンサーになって3年目くらいから振付の仕事が入ってくるようになってきました。 舞台を観て声をかけてもらったり、人とのつながりで紹介してもらったりという感じですね。ホームページをつくったことも大きかったです。


ASA-CHANG&巡礼×小泉今日子「背中」MV

──康本さんのダンスはジャンル付けできないものだと思いますが、振り付けの発想はどこから生まれてくるのでしょうか?

音を聴いて自然に身体が動くというのが大きいと思います。どんなに発想しても音に合わなければ意味がないので。
あとは、だた踊るだけではなく、ダンスが魅力的に見える設定を考えています。途中で日常的な動作とか、邪魔な動作が入ることによって、その後のダンスが栄えたりするんです。

──作品のDVDを出したりしないんですか?

ないんですよね。音楽ありきで踊っているので、音楽の著作権の問題でなかなか出せないんです。自分で音楽をつくれるわけではないので。

──実はこんな作品に出てるというのはありますか?

中島美嘉さんをフィーチャリングした勝手にしやがれの「YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO」という曲のミュージックビデオで、人形みたいなすごいメイクして踊ってます。誰もわたしだって気付かないと思います。
振り付けの仕事として最近やったのは、ゆずの「いちご」という曲のミュージックビデオですね。


振り付けを担当した、ゆず「いちご」のMV(2009年7月発売)


いつもジャージ


──踊る時、振り付けを考えるときに、自分が女性であることを意識しますか?

それはないですね。するまでもなく、当然の事実なので。
例えば、踊るときにスカートをはいて、中に見せパンみたいなのはいて出ることもあるんですけど、それもドキッとさせようと思ってるわけではなくて、客観的に見てます。

──衣装はどうやって選んでるんですか?

古着屋とか、そのへんで探して、自分でちょっと手を加えたりしてます。
吾妻橋ダンスクロッシングの時の衣装はたまたま旦那が買ってきましたね。旦那がたまに「衣装に使えそう」って言って買って来るんですよ。普段は全く着ないんですけど。

──普段はどんな服を着てるんですか?

ジャージです。今日も上下ジャージ着てますけど、家だからというわけではなく、外でもこの格好なんです。
着替える時間とか1分でも惜しくなってきて、稽古場行ったらすぐ稽古できるように・・・



──例えば、食事に行くとかお友だちと会ったりするときは・・・

そういう時はちょっといいジャージですね(笑) ラインが入ってるとかちょっと色が違うとか・・・

──現在は子育てで忙しいと思いますが、今後の活動は?

今は子育てが忙しいので、しばらく自分の公演は出来ないと思いますが、呼んでいただいて出演するイベントはいくつかあります。10月にはワタリウム美術館で行われる建築家とのトークイベントに参加します。 12月には愛知県でのイベントにてDJ吉澤Dynamite.jpさんとセッションしたり、横浜美術館で行われる束芋さんの展覧会で踊ったりします。
あと、来年の1月にNYのショーケースで作品を発表します。

profile
康本雅子 康本雅子(ヤスモトマサコ)

ダンサー。振付家。ダンス公演のみならず演劇、コンサート、映像、ファッション界等、多岐に渡るジャンルにおいて活動する。 これまでに自作品を日本国内12都市とイタリア、ソウル&マレーシア、タイ、インドネシアにて公演。
康本雅子 公式ウェブサイト
10月29日 (木) 20:00 START
15人の建築家と15人の表現者による対話実験
「身体(からだ)との話」平田晃久(建築家)X 康本雅子(ダンサー・振付家)
ワタリウム美術館 | アクセス
詳しくはワタリウム美術館ウェブサイト

12月5日(土)15:00 START
DJ 吉沢dynamite.jp×康本雅子「当日仕入れ弁」
愛知芸術文化センター2階フォーラム 1 | アクセス
詳しくは愛知県文化情報センターウェブサイト

12月25日(金)18:30 OPEN / 19:30 START
康本雅子×Tucker×束芋 ダンス・ライブ「油断髪」
横浜美術館グランドギャラリー | アクセス
詳しくは横浜美術館ウェブサイト

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