ガール・ミーツ・ガール

眼鏡スタイリストと眼鏡屋巡りデート! 藤裕美 × 青山

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藤裕美 × 表参道

 女の子とデートしながら街と人を紹介するコーナー。14回目のゲストは、眼鏡スタイリストの藤裕美(とうひろみ)さんです。

 あまり聞きなれない肩書きを持つ彼女。 とにかく眼鏡が好きで、10年以上眼鏡に関する仕事を経験した後、最終的に辿り着いたのが「眼鏡スタイリスト」という前例のないお仕事。 現在、いとうせいこうさんや、持田香織さんの眼鏡をセレクトしたり、各方面で活躍しています。

 今回は、表参道・青山~原宿近辺の眼鏡屋さんを巡り、記者の眼鏡を選んでもらうお買い物デートをしてきました。


藤裕美 × 表参道
表参道交差点前で待ち合わせ。

「似合わない」ではなく「似合う眼鏡に出逢ってない」


──眼鏡スタイリストって、どんなお仕事をするんでしょうか?

 雑誌等で眼鏡をセレクトさせてもらったり、企画させてもらったり。 店頭に立って接客するのではなく、イメージ的には洋服のスタイリストの仕事が近いです。出逢う人やテーマによって形を変えて、「眼鏡」をキーワードにイベントをしたりもしています。

──藤さん以外にも、眼鏡スタイリストっているんですか?

 ブランドやショップに属さず、雑誌等のメディア中心に眼鏡専門のスタイリストとして活動をしているのは、私だけかもしれません。

藤裕美 × 表参道
まずは、南青山3丁目交差点近くにある、眼鏡ショップ「blinc(ブリンク)」青山本店へ。

──確かに。眼鏡も洋服のスタイリストが選ぶものだと思っていました。

 そうなんですよね。今でも、多くは洋服のスタイリストさんが選ばれてますね。 いろんな専門の方がメディアで活躍されていて、その分野の楽しみ方を発信されているので、眼鏡専門がいてもおかしくはないと思うんですが。眼鏡選びって難しいですからね。

──何を基準に「似合ってる」なのか、判断できないんですよね、きっと......。

 よく「私、眼鏡似合わないんです。」って言われるんですけど、一緒に選ぶと「私、似合う」って言葉に変わる人が多いんです。 「似合わない」ではなく「似合う眼鏡に出逢ってない」。 でも、一度眼鏡選びを失敗すると、コンプレックスになってしまう。 だから、そういう人たちにも、「こんなに素敵な眼鏡がたくさんあるんだよ!」ってことを伝えたくて、眼鏡スタイリストという仕事をはじめたんです。 眼鏡は本当に魅力的なんですよ。

藤裕美 × 表参道
藤裕美 × 表参道
ヨーロッパやアメリカなどの眼鏡ブランドを中心に、オシャレな眼鏡やサングラスを取り揃えています。

アイテム1つで別人になる


──眼鏡スタイリストになるまでの経緯を教えて下さい。

 高校生の時に、とある眼鏡屋と出合ったのがはじまりです。
元々、授業中だけ眼鏡をかけてたんですけど、今みたいにおしゃれな眼鏡もそんなになかった時代。どちらかというとネガティブなイメージがあったんです。 でも、その眼鏡屋で1本の眼鏡をかけてみた時「眼鏡でこんな変わるんだ!」「眼鏡ってオシャレなんだ!」って、カルチャーショックを受けて。

──なるほど。その眼鏡は買ったんですか?

 すぐには買えなかったんですよ。高校生だったので、自分で買うお金もなくて......。 そしたら、元々持っていた眼鏡を、甥っ子がポキッと折ってくれて(笑)。 眼鏡がないと困るので、買ってもらえたんです。 実は念じてたんですけどね......。甥っ子が眼鏡で遊んでるのを見て、「折ってくれー!」って(笑)。

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次の眼鏡屋へ移動。

──まんまと折ってくれたわけですね(笑)。

 それで、その眼鏡を買ったら、あまりに周りの反応が良くて! 眼鏡1つで別人になった気分でした。アイテム1つでこんなに変わるってすごいなって。

──その頃から、眼鏡業界に入るって決めてました?

 いえ。私、ソーシャルワーカーになろうと思ってたんです。 そもそも「眼鏡屋さんになる」って選択が頭の中になくて、職業として選ぶものとしては考えていなかったんですよ。 だから、福祉の仕事に就くつもりでした。

藤裕美 × 表参道
藤裕美 × 表参道
途中で気になった、アンティーク家具のお店「Lloyd's Antiques(ロイズ・アンティーク)青山」に入る。

──そこからどうやって眼鏡の道に?

 最初に眼鏡を買ったお店に、よく遊びに行ってたんです。 そしたら、そのお店で「バイトする?」って言われて。「眼鏡屋って選択もあるんだ!」って気付いたんです。 その時は、先に別の人が決まってしまい、バイトはできなかったんですけど、 卒業するときに、福祉か眼鏡かで迷って、眼鏡を選びました。

 地元の福岡には好きな眼鏡をセレクトしている眼鏡屋さんが一店舗しかなかったので、東京や関西に出て好きな眼鏡屋さんを探そうと思っていたら、 福岡の大好きなお店の本店(熊本)が週末だけなら募集しているということで「交通費いらないんで、バイトさせて下さい。」と頼みこんでバイトさせてもらうことになったんです。

藤裕美 × 表参道
裏原宿の方に移動。

男性はみんな「後悔するよ」って(笑)


──それからずっと眼鏡屋で働いてたですか?

 4年くらい、平日はホテルのウェイトレスとか福祉施設のバイトをしながら、週末だけ往復4時間かけて熊本まで行って眼鏡屋で働く生活をして、 その後福岡店の店長が急遽退社。それをきっかけに福岡店の店長になりました。高校の時に眼鏡を好きになるきっかけのお店です。トータル10年ぐらい同じ眼鏡屋で働いていました。

 お店も安定して来たし、私がいなくても大丈夫かなと思って。30歳目前にして、このままでいいのかな?と思って。そのお店を辞める決意をして、ドイツに行くことにしたんです。

藤裕美 × 表参道
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オリジナルブランドや国内ブランドを多く取り揃える「Opticien Loyd(オプティシャンロイド)」へ。

──なぜ、ドイツに?

 ドイツに知り合いの眼鏡ブランドがあって、前から、つくる側を見てみたいと思ってたんです。 ショップで接客をして、眼鏡ひとつで人生変えてる人たちをたくさん見てきたので、 デザイナーはすごいなと思って。眼鏡が、どんな思いで、どんな過程を経て出来ているのか、 それを知ったら、何か変わるんじゃないかと思ったんです。

──30歳目前でその決意はすごいですよね。

 そうですね。お店も、ほぼ私のお店みたいな状態だったので、周りに反対もされました。 仕事として、良いお誘いもいただいたけど、それも断って......。 でも、面白いことに、反対するのは男性だけなんですよ。 女性はみんな「行って来い!」って言って、ほとんどの男性から「後悔するよ。」って言われてました(笑)。

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青山方面へ戻り、トゥモローランドプロデュースのカフェ「Terrace GALERIE VIE(テラス ギャルリー・ヴィー)」でランチ。

──ドイツでの生活は大変じゃなかったですか?

 本当に素敵なブランドにお世話になっていたので、むしろ逆でホームシックなんて全くなく楽しんでました。 最初はドイツ語も全然話せなくてカタコトの英語でコミュニケーションとっていたんですが、もともとデザイナーと知り合いだったこともあり、何も問題ありませんでした。 仕事も店頭ではなくブランドのアトリエで日本のプレス的な動きや眼鏡の成型、アジア人の顔の特徴からデザインをアドバイスしたりしてました。

藤裕美 × 表参道
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チキンクリームソースのパスタランチを注文。

──日本に帰って来てすぐ、眼鏡スタイリストに?

 日本に帰ってくることになったとき、ショップをするということにピンとこなかったんです。 自分が今までしてきたことって何だろう、何が出来るんだろうって考えたときに、たくさんの人に自 分が良いと思う眼鏡を伝えたい、と思ったんです。 それを、普段眼鏡屋に行かない人にも眼鏡の魅力を伝えることが出来ると思い、眼鏡スタイリストという答えが出たんです。 それで、2009年の頭から活動をスタートさせました。

藤裕美 × 表参道
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表参道ヒルズ同潤館2Fにある「LUNETTES du JURA(リュネット・ジュラ)」。

──すぐにお仕事につながりました?

 もちろん、すぐに仕事として成り立つとは思ってませんでした。それでも挑戦したかった。

 イラストレーターの小池アミイゴさんが「music bird」というイベントに誘って下さって、そこから正式にスタートしました。 その直後、モードオプティークの新しい編集長の女性に興味を持ってもらって一緒にお仕事させてもらえるようになったり、Every Little Thingの持田さんからプライベートの眼鏡をお願いされ、「ほぼ日刊イトイ新聞」特集を組んでもらえることになったり。 その後、いとうせいこうさんにご協力して頂きオフィシャルHP「眼鏡予報」をスタートするなどたくさんの出逢いがありました。

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見たことのない、個性的なデザインの眼鏡がたくさん。

──藤さんが眼鏡を選ぶ上でのポイントって何ですか?

 お客さんにはいつも「似合わないと思ってもすぐはずさないで。」って言うんです。 ちょっとかけてみただけじゃ、本当に似合うか似合わないの判断ができない。 位置を変えるだけで違いますし、例えばお客さんに「ここに黄色が入ると肌映りがいいですよ。」と、私が助言するだけでも、 違って見えたりするものなんです。

 あと、「これブサイクになりますよ。」って、あえて似合わないものもかけさせたりしますね(笑)。 黒縁が欲しいって言われても、赤をかけさせたり。似合わないと思っても、楽しみながらいろんな眼鏡をかけてみることが大事だと思います。 なるべく、その人の性格も読み取って、長く使えるものを選ぶようにしています。

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ジュラで気に入った眼鏡の色違いを見に、グラン店に移動。真剣に選んでくれる藤さん。

──最後に、これからやりたいことなど、今後の活動についてコメント下さい。

 やりたいことはたくさんあります。 映画、ドラマ、演劇などの人物のキャラクターに合わせて眼鏡をセレクトしてみたいですね。 「眼鏡」をテーマにしたワークショップも計画中です。

 前例のない仕事だから、色んな可能性を秘めてると思うんです。 出会う人によって形を変えたいと思っているので、様々な異分野ともコラボレーションしてみたいですね。 今は、周りのひとたちが協力してくださってるので、本当にありがたいなと思います。

藤裕美 × 表参道
ということで、こんな眼鏡を買いました。

──ありがとうございました。

Written by トミモトリエ

撮影協力

blinc(ブリンク)」青山本店
住所:東京都港区南青山2-27-20 植村ビル 1F
TEL :03-5775-7525
営業時間:11:00~20:00
定休日:月曜日

Opticien Loyd(オプティシャンロイド)
住所:東京都渋谷区神宮前4-26-35 FARMビル
TEL :03-3423-0505
営業時間:10:30~20:00

LUNETTES du JURA(リュネット・ジュラ)表参道ヒルズ
住所:東京都渋谷区神宮前4-12-10 表参道ヒルズ同潤館2階
TEL :03-3401-3858
営業時間:[月~土]11:00~21:00 [日]11:00~20:00

LUNETTES du JURA(リュネット・ジュラ)グラン
住所:東京都港区南青山2-12-1
TEL :03-3401-4446
営業時間:10:30~20:00

Terrace GALERIE VIE(テラス ギャルリー・ヴィー)
"テラス ギャルリー・ヴィー" 住所:東京都港区南青山3-18-9 2F TEL :03-3423-8431 営業時間:11:00~20:00

Lloyd's Antiques(ロイズ・アンティーク)青山
住所:東京都渋谷区神宮前3-1-30
TEL :03-5413-3666
営業時間:11:00~19:00

藤裕美

藤裕美(とうひろみ)

眼鏡屋で勤務しながらネジから全て眼鏡を製作し個展も行う。 店長としてSHOPプロデュース、バイヤーを務め、眼鏡のことをもっと知りたいとドイツへ渡り眼鏡ブランド『FROST』勤務。その後,2009年より眼鏡スタイリストとして活動。 同年4月、いとうせいこうさんとの出会いにより、自身のHPで「眼鏡予報」スタート。新たな眼鏡カルチャーを紹介している。

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