ガール・ミーツ・ガール
昔ながらの風景が残る谷間の街「南新宿」with asami81

ゲストの女の子とデートしながら、街と人をクローズアップするフォトセッションインタビュー、 6回目のゲストは、ブログ「iGirl(アイガール)」を運営し、はてなアイドルと呼ばれているasami81(アサミハチイチ)さん。
asami81さんは、結婚して大阪に住んでいるにも関わらず、期間限定で上京し、今年9月にスタートしたインターネットサービス「nanapi(ナナピ)」の運営サポートを行っています。 今回は、彼女が働く、南新宿にある「株式会社ロケットスタート」へおじゃまして、平日ランチデートに行ってきました。

asami81さんが月10日だけ働いている、株式会社ロケットスタートのオフィス。
──asami81さんは、大阪在住ですよね?
住んでるのは大阪ですが、月10日間だけ東京に来て、ロケットスタートという会社で、「nanapi(ナナピ)」というサイトの運営を手伝ってます。
大阪では在宅という形で仕事を受けてる感じです。
──具体的にどんな仕事をしてるんですか?
「nanapi」は、ちょっとした工夫で生活がハッピーになるような知恵を、ユーザー同士が共有するサイトです。私がやってるのは、サイトのトップページを変更したり、記事を編集したり、メルマガ配信したり、公式レシピを書いたりっていう作業。 大阪にいるときも、やっていることは変わりません。


「ピンクが大好き!」というasami81さんの机。仕事中はメガネをかけている様子
──asami81さんは結婚されてるんですよね。東京で仕事することについて、旦那さんの反応は?
旦那は大賛成なんです。「なんか裏があるん?」って思うくらい(笑)。まぁ、お互い夢を持っているので、理解してくれているのかも。夫としては寂しいけど、夢を持つ人としては応援したい、みたいな。
東京じゃないと出来ない仕事ではないんですが、現状では短期間でも東京にいた方が生産性はあがるはず。家にいると家のこともしないとダメですしね。 東京に着いた瞬間から気持ちが入れ替わるんです。「1日中nanapiのこと考えられる!!」みたいな感じ(笑)。
もちろんスタッフと直接コミュニケーションをとれることも重要。インターネットは大好きやけど、直接会って話すことには勝てないですから。

7分以内で出来る暮らしのレシピ共有サイト「nanapi(ナナピ)」
──「ロケットスタート」で仕事をすることになった経緯を教えて下さい。
社長のけんすうくんはオフ会で知り合いました。OLをやってた時もよく出張や遊びで東京に来てたから、何度か会っていたんです。 ちょうど私がOLを辞めた頃に「ロケスタで女性向けのサービスやりたい」っていう話を聞いて、 女性向けのサービスって言っても社員は全員男性だから「一緒にやる?」みたいな話になって......。
前からITに関わる仕事したかったので、良いチャンスだと思い決めました。
──東京にいる間はどこに泊まってるんですか?
だいたいは高校時代からの友達の家に泊まらせてもらってます。ホテルも何度か泊まったことありますね。あと、ごくたまにですが、みんなが早めに帰った時とかはオフィスに泊まらせてもらうこともありますよ(笑)。
その日は寝る直前まで仕事、起きてすぐ仕事、というサイクルでできるので嬉しいです。あと、今は移動が寒いからそれがなくていい。


隣は代ゼミタワー。東京ナイロンガールズ編集部も徒歩1分の距離にあります
──asami81さんはアメリカに留学してたこともあるんですよね?
大学は英文科に行ってたんですけど、実際に会話する経験がないから、ちゃんと英語がしゃべれるようになりたくて。 あと、大学生の頃は日本に対する反抗期で、アメリカに行きたくてしょうがなかったんです。
日本人って、何も言わずに伝わると思ってるところあるじゃないですか。 例えば、恋人と付き合ってても、暗黙の了解があったり、バイトしてても、お客さんに目で合図されて、「え? なんなん?」みたいなことがあったり(笑)。でも「はい?」って聞くと、それは失礼になっちゃう。 私、言われないとわからないんですよ。 日本ってそういうのが多くて、そういうところが嫌で、アメリカに憧れていました。


いつもお弁当を買っているという「ほっかほっか亭」
──それでアメリカに留学したんですね。
留学って、お金がめっちゃかかると思ってあきらめてたんですけど、 ベビーシッターをしながらホームステイをして、お金をもらいながら学校に行く「オペア」ってシステムがあるってことを知ったんです。でも、行ったら行ったで、日本に恋焦がれて「あの文化ってよかったなあ......」って実感しました。
──ホームシック?(笑)
そこで「環境を変えたところで、自分て変わらんな」と気付いたんですよ。隣の芝は青いじゃないですけど、ないところに憧れるだけで......。
ニューヨークなんてめっちゃ憧れの街だったけど、住んでたのがワシントンD.C.なんで、バスで4時間くらいで行けたんです。何度も行ってたら憧れもなくなって、ただの日常になってしまった。 他の人は分からないけど、少なくとも私の場合は「なーんだ、こんなもんか」みたいになってしまいましたね。

南新宿駅のすぐ横にある、昔ながらの銭湯「奥の湯」
──どれぐらいアメリカに留学してたんですか?
学生時代に行ってたのと、卒業後のオペアとでトータル1年半ですね。 英語は好きやけど「しゃべれたらかっこいいなとか、仕事になるかな」と思ってやってただけで「本当にやりたいのはこれじゃないな」と気づいて日本に帰ってきたんです。
その頃すでにネットにはまってて、ITの仕事がしたかったんですよ。というのも、アメリカにいる時はしばらく車も運転できずあまり外に出れない時期があって、家でチャットばっかしてました(笑)。チャット経由でプログラマーの世界みたいなのに憧れるようになったんです。帰国後はとりあえず生活するためにOLやりながら、そういうの勉強していこうかなと思ってました。

南新宿駅のまわりは、昔ながらの八百屋や銭湯などもある。「お。レタス安い。」と、主婦らしい表情も......
──ブログをはじめたのはいつですか?
ブログって存在を知ったのは留学中で、街で黒人の男の子に話しかけられて、日本人のことを聞かれたんですよ。 で、「これ、ブログに書いていい?」って聞かれて、「いいけど、ブログって何?」みたいな(笑)。
自分でブログをはじめたのは2004年。最初はlivedoorブログで、2007年からはてなダイアリーに移動しました。

様々な大学の名前の大学定食がある「しょうが亭」。「ここは気になってるんだけど、まだ入ったことないんですよ」
──はてなダイアリーに移行した理由は?
実は、OLやってた時に、会社からlivedoorが規制されて見れなくなったんですよ(笑)。Yahoo!、MSN、livedoorは、メールサービスがあるから禁止されたんです。そもそも会社でやっちゃいけないんですけど......。それで、どうしよう、することない!暇や!みたいになって、鬱になっちゃって(笑)。
──それで、会社からも見れるはてなダイアリーを選んだわけですね。
そしたらなんか、間違えた子みたいになって......。
はてなダイアリーはじめたら「こいつ顔出してる」「女だからって」って、めっちゃ叩かれて(笑)。別に、狙って書いてたわけじゃなく、ライブドアのときから顔出してて、全然抵抗なかったんです。 でも、はてなには、そういう女の子っぽいのがなかったからなんでしょうね。


韓国家庭料理屋「呑喰里(どんぐり)」へ
──でも、そういうのも気にせず続けてきたんですよね?
ブログをやってるのは、単純に思い出を残したくて、未来の自分に今の自分を残したいなと思って書いてるんです。 アナログでアルバムつくるのとか大変じゃないですか。ブログだと、リアルタイムで更新出来るし。 とにかく、インターネットとかブログを知ったときの感動がすごかったんですよ。はじめてインターネットを見た時の画面を覚えてるくらい。2000年の大学入学後すぐでした。学校のPCでMSNのニュースのトップページ見て、「うわー! なにこれー! 新聞買わんでも情報入るんかよー!」って(笑)。


ランチのプルコギ丼 900円(税込)は、ボリューム満点で、小皿3品+サラダ+スープが付いてきます
──気付いたら、はてなアイドルと呼ばれるようになったわけですよね。
あれも一種のいじめですよ。逆いじめみたいな(笑)。
最初は、有名なブログで「はてな3大女性アイドル」って記事が書かれて、そこに私とあと2人の名前が書いてあったのがはじまりだと思います。
──名前のasami81は、81年生まれってことですよね?あとブログの「iGirl」っていうのはどういう意味でつけたんですか?
asamiは本名で、81は1981年生まれだから81です。
「asami」だけだと全サービスのアカウントは取れないだろうと言うことで81ってつけたんですが、あんまり生まれた年をつける人いないんですね。 だから誕生日が「8月1日」だと思われたりします。8という数字も好きだし「年齢をごまかす女性になるな!」という自分への戒めのつもりでつけました(笑)
「iGirl」の「i」は「iMac」とか「iPod」と同じで、Apple好きで「iなんとか」ってつけてる人がいたので真似しました。 私もApple好きやし、使ってるパソコンもMacなんですが、実は旦那がAppleマニアなんですよ。だから、「私もApple製品みたいに愛されたい!」という願いも込めて 「iGirl」なんです。でも、ガールなぁ、もうガールって歳じゃないしなぁ、って思ってる今日この頃。


代々木駅のすぐ横にある空地にある、有吉弘行プロデュースのお店「インチキビアガーデン ダメ横」
──旦那さんはどんな人なんですか?
旦那は、IT関連の会社やってます。知り合ったきっかけは私の友人が開催していた起業セミナーみたいな勉強会です。
当時の私はOLで事務をしてましたが、オペアのサイトを作りたくて、週末とかに勉強がてらホームページをつくろうとしたんですよ。 でも何からはじめていいのかもわからなくて、めっちゃ追い詰められていました。そのときに彼と出会ったんです。 セミナーの懇親会みたいなところで、彼は自分のMacBookPro のプレゼンをしてて「みてくださいこの美しいボディに光るAppleのマーク」みたいなこと言ってて、 その時私は、プログラマーとかパソコン詳しい人崇拝みたいな状態やったから「わー! すごい!」ってなって(笑)。

2009年7月にオープン、9月末までの期間限定のはずが好評により延長中。有吉の等身大のパネルがあります
──え、そこですか(笑)
その時、旦那が「こういうのが海外にはたくさんあるんですよ」って、海外の女性が司会をしてるビデオポッドキャストのことを教えてくれて「日本はもっと世界においつかなあかんのかな」と勝手に感じてました。 そしたら、「会社のビデオポットキャストをやりたいんだけど、それに出て欲しい」って言われたんですよ。 男だけで出てても誰も見ないからって。マインドコントロールされた後なので「出ます」って言っちゃったんです(笑)。で、撮影するのに何度か会ってくうちに付き合いはじめ、結婚が決まったときに「夫婦でやるのは恥ずかしい」ってことで出演するのをやめました。
──それって「プログラマーに憧れている女子を落とす方法」で、ライフレシピが出来そうじゃないですか(笑)。ちなみに、旦那さんもブログを書いてるんですか?
一応IT系の仕事だけど、表に出てこないですね。私も「迷惑かかったらいけないしな」と思って、旦那の素性は書くのを避けてます。 彼もブログをやってますが、私と違って完璧主義ということもあり、適当なこと書けないみたいです。 だから更新が月1回ぐらいで「そんな頻度じゃあかんやろ!」と思うんですが、言わんとこと思ってます(笑)。ブログに対する姿勢って人それぞれやから何が正しいとか無いし。


よく行くという代々木駅前の「TULLY'S COFFEE(タリーズコーヒー)」へ
──東京に引っ越してくるつもりはないですか?
旦那がいてるから、引っ越すっていうのはないけど、東京は好きやし、nanapiがある限りはこの生活を続けるつもり。月10日だけ来るっていうのも大変ではあるんやけど、そんなに苦ではありません。
──東京でよく行く場所とか、お気に入りの店とかあります?
まだこの辺のことよくわかってないので、オフィスのまわりの半径何メートルって範囲くらいしか覚えてないんですよ。 わたし、ひとりで知らないお店とか入れなくて......。いつも行くのは、花まるうどんか、サイゼリアか、あとはほか弁(笑)。
ロケスタのメンバーと一緒に行くときは、いろんなお店に入ってみたりするんやけど、お店の名前を覚えてなくて......。ラーメン屋が多いですね。

山野美容専門学校の前にあるサンタクロースのバルーン
──大阪と比べてどうですか?
南新宿は面白いですよね。新宿駅も代々木駅も近くて、めっちゃ都心なのに、路地の裏入ると「こんなところあるんや!」って、びっくりします。 歴史深そうな銭湯とかあるし、小さいお店とか古い建物もいっぱいあるし。商店街もいたるところで栄えてますよね。 大阪では商店街とかどんどん廃れていってる気がします。ここみたいな、小さな八百屋とかあんまり見ないですよ。 買い物するのは大型スーパーです。


代々木と南新宿の間にある踏み切り。「この踏み切り、すごい待たされる時があるんですよ」
──今はフリーランスとして仕事してるということですが、今後、他にやりたいことやこれからの予定はありますか?
私の中で今「フリーランスだからいろんなことに挑戦出来る!」という嬉しさと、「やっぱり1つのことに深く関わりたい」という欲望が入り交じっている状態です。 自分で「AupairJapan(オペアジャパン)」ってサイトも運営しています。自分がオペアを知って留学できたから、もっといろんな人にオペアの事を知ってもらいたくて立ち上げたんです。 でも、nanapi がスタートして、今はそっちばっかり。色々やりたいけど、この時期は集中型になるほうがいいような気もしてるんですよ。 せっかく「一緒に働きたい!」というメンバーとも出会えたし。何をやるかというより、誰とやるかが私の中では重要なんだなと気づきました。

「それじゃあ、またねー」と、会社に戻って行くasami81さん
──ずっとブログを書き続けたいですか?
何度も炎上してるんですが、コンスタントに続いています。まわりにどう言われてるかっていうのは今はあまり気にしないですね。 前に炎上したとき、「多分こいつは閉鎖する」って書かれて、その一言を見て「誰がやめるか」みたいな。むしろ「言ってくれてありがとう」みたいな。あまのじゃくな性格なんですよ(笑)。おばあちゃんになった時に自分のブログが残ってて、孫に「ばあちゃんはこんなアホなことばっかりしてたんだよ~、でも超楽しかったよ~!」って伝えられたらいいなと思ってます。
──ありがとうございました。
住所:東京都渋谷区代々木1-43-1
TEL :03-3320-6400
営業時間:11:00~23:00
TULLY'S COFFEE(タリーズコーヒー)代々木駅北口店
住所:東京都渋谷区代々木1-36-1 オダカビル 1F
TEL :03-5304-7305
営業時間:[平日]7:30~21:00[土]08:00~20:00[日・祝]09:00~20:00
asami81さんは、結婚して大阪に住んでいるにも関わらず、期間限定で上京し、今年9月にスタートしたインターネットサービス「nanapi(ナナピ)」の運営サポートを行っています。 今回は、彼女が働く、南新宿にある「株式会社ロケットスタート」へおじゃまして、平日ランチデートに行ってきました。
Photo & Text:トミモトリエ

asami81さんが月10日だけ働いている、株式会社ロケットスタートのオフィス。
旦那は驚くほど賛成してるんですよ
──asami81さんは、大阪在住ですよね?
住んでるのは大阪ですが、月10日間だけ東京に来て、ロケットスタートという会社で、「nanapi(ナナピ)」というサイトの運営を手伝ってます。
大阪では在宅という形で仕事を受けてる感じです。
──具体的にどんな仕事をしてるんですか?
「nanapi」は、ちょっとした工夫で生活がハッピーになるような知恵を、ユーザー同士が共有するサイトです。私がやってるのは、サイトのトップページを変更したり、記事を編集したり、メルマガ配信したり、公式レシピを書いたりっていう作業。 大阪にいるときも、やっていることは変わりません。


「ピンクが大好き!」というasami81さんの机。仕事中はメガネをかけている様子
──asami81さんは結婚されてるんですよね。東京で仕事することについて、旦那さんの反応は?
旦那は大賛成なんです。「なんか裏があるん?」って思うくらい(笑)。まぁ、お互い夢を持っているので、理解してくれているのかも。夫としては寂しいけど、夢を持つ人としては応援したい、みたいな。
東京じゃないと出来ない仕事ではないんですが、現状では短期間でも東京にいた方が生産性はあがるはず。家にいると家のこともしないとダメですしね。 東京に着いた瞬間から気持ちが入れ替わるんです。「1日中nanapiのこと考えられる!!」みたいな感じ(笑)。
もちろんスタッフと直接コミュニケーションをとれることも重要。インターネットは大好きやけど、直接会って話すことには勝てないですから。

7分以内で出来る暮らしのレシピ共有サイト「nanapi(ナナピ)」
──「ロケットスタート」で仕事をすることになった経緯を教えて下さい。
社長のけんすうくんはオフ会で知り合いました。OLをやってた時もよく出張や遊びで東京に来てたから、何度か会っていたんです。 ちょうど私がOLを辞めた頃に「ロケスタで女性向けのサービスやりたい」っていう話を聞いて、 女性向けのサービスって言っても社員は全員男性だから「一緒にやる?」みたいな話になって......。
前からITに関わる仕事したかったので、良いチャンスだと思い決めました。
──東京にいる間はどこに泊まってるんですか?
だいたいは高校時代からの友達の家に泊まらせてもらってます。ホテルも何度か泊まったことありますね。あと、ごくたまにですが、みんなが早めに帰った時とかはオフィスに泊まらせてもらうこともありますよ(笑)。
その日は寝る直前まで仕事、起きてすぐ仕事、というサイクルでできるので嬉しいです。あと、今は移動が寒いからそれがなくていい。


隣は代ゼミタワー。東京ナイロンガールズ編集部も徒歩1分の距離にあります
何も言わずに伝わると思ってるところあるじゃないですか
──asami81さんはアメリカに留学してたこともあるんですよね?
大学は英文科に行ってたんですけど、実際に会話する経験がないから、ちゃんと英語がしゃべれるようになりたくて。 あと、大学生の頃は日本に対する反抗期で、アメリカに行きたくてしょうがなかったんです。
日本人って、何も言わずに伝わると思ってるところあるじゃないですか。 例えば、恋人と付き合ってても、暗黙の了解があったり、バイトしてても、お客さんに目で合図されて、「え? なんなん?」みたいなことがあったり(笑)。でも「はい?」って聞くと、それは失礼になっちゃう。 私、言われないとわからないんですよ。 日本ってそういうのが多くて、そういうところが嫌で、アメリカに憧れていました。


いつもお弁当を買っているという「ほっかほっか亭」
──それでアメリカに留学したんですね。
留学って、お金がめっちゃかかると思ってあきらめてたんですけど、 ベビーシッターをしながらホームステイをして、お金をもらいながら学校に行く「オペア」ってシステムがあるってことを知ったんです。でも、行ったら行ったで、日本に恋焦がれて「あの文化ってよかったなあ......」って実感しました。
──ホームシック?(笑)
そこで「環境を変えたところで、自分て変わらんな」と気付いたんですよ。隣の芝は青いじゃないですけど、ないところに憧れるだけで......。
ニューヨークなんてめっちゃ憧れの街だったけど、住んでたのがワシントンD.C.なんで、バスで4時間くらいで行けたんです。何度も行ってたら憧れもなくなって、ただの日常になってしまった。 他の人は分からないけど、少なくとも私の場合は「なーんだ、こんなもんか」みたいになってしまいましたね。

南新宿駅のすぐ横にある、昔ながらの銭湯「奥の湯」
──どれぐらいアメリカに留学してたんですか?
学生時代に行ってたのと、卒業後のオペアとでトータル1年半ですね。 英語は好きやけど「しゃべれたらかっこいいなとか、仕事になるかな」と思ってやってただけで「本当にやりたいのはこれじゃないな」と気づいて日本に帰ってきたんです。
その頃すでにネットにはまってて、ITの仕事がしたかったんですよ。というのも、アメリカにいる時はしばらく車も運転できずあまり外に出れない時期があって、家でチャットばっかしてました(笑)。チャット経由でプログラマーの世界みたいなのに憧れるようになったんです。帰国後はとりあえず生活するためにOLやりながら、そういうの勉強していこうかなと思ってました。

南新宿駅のまわりは、昔ながらの八百屋や銭湯などもある。「お。レタス安い。」と、主婦らしい表情も......
未来の自分に今の自分を残したい
──ブログをはじめたのはいつですか?
ブログって存在を知ったのは留学中で、街で黒人の男の子に話しかけられて、日本人のことを聞かれたんですよ。 で、「これ、ブログに書いていい?」って聞かれて、「いいけど、ブログって何?」みたいな(笑)。
自分でブログをはじめたのは2004年。最初はlivedoorブログで、2007年からはてなダイアリーに移動しました。

様々な大学の名前の大学定食がある「しょうが亭」。「ここは気になってるんだけど、まだ入ったことないんですよ」
──はてなダイアリーに移行した理由は?
実は、OLやってた時に、会社からlivedoorが規制されて見れなくなったんですよ(笑)。Yahoo!、MSN、livedoorは、メールサービスがあるから禁止されたんです。そもそも会社でやっちゃいけないんですけど......。それで、どうしよう、することない!暇や!みたいになって、鬱になっちゃって(笑)。
──それで、会社からも見れるはてなダイアリーを選んだわけですね。
そしたらなんか、間違えた子みたいになって......。
はてなダイアリーはじめたら「こいつ顔出してる」「女だからって」って、めっちゃ叩かれて(笑)。別に、狙って書いてたわけじゃなく、ライブドアのときから顔出してて、全然抵抗なかったんです。 でも、はてなには、そういう女の子っぽいのがなかったからなんでしょうね。


韓国家庭料理屋「呑喰里(どんぐり)」へ
──でも、そういうのも気にせず続けてきたんですよね?
ブログをやってるのは、単純に思い出を残したくて、未来の自分に今の自分を残したいなと思って書いてるんです。 アナログでアルバムつくるのとか大変じゃないですか。ブログだと、リアルタイムで更新出来るし。 とにかく、インターネットとかブログを知ったときの感動がすごかったんですよ。はじめてインターネットを見た時の画面を覚えてるくらい。2000年の大学入学後すぐでした。学校のPCでMSNのニュースのトップページ見て、「うわー! なにこれー! 新聞買わんでも情報入るんかよー!」って(笑)。


ランチのプルコギ丼 900円(税込)は、ボリューム満点で、小皿3品+サラダ+スープが付いてきます
──気付いたら、はてなアイドルと呼ばれるようになったわけですよね。
あれも一種のいじめですよ。逆いじめみたいな(笑)。
最初は、有名なブログで「はてな3大女性アイドル」って記事が書かれて、そこに私とあと2人の名前が書いてあったのがはじまりだと思います。
──名前のasami81は、81年生まれってことですよね?あとブログの「iGirl」っていうのはどういう意味でつけたんですか?
asamiは本名で、81は1981年生まれだから81です。
「asami」だけだと全サービスのアカウントは取れないだろうと言うことで81ってつけたんですが、あんまり生まれた年をつける人いないんですね。 だから誕生日が「8月1日」だと思われたりします。8という数字も好きだし「年齢をごまかす女性になるな!」という自分への戒めのつもりでつけました(笑)
「iGirl」の「i」は「iMac」とか「iPod」と同じで、Apple好きで「iなんとか」ってつけてる人がいたので真似しました。 私もApple好きやし、使ってるパソコンもMacなんですが、実は旦那がAppleマニアなんですよ。だから、「私もApple製品みたいに愛されたい!」という願いも込めて 「iGirl」なんです。でも、ガールなぁ、もうガールって歳じゃないしなぁ、って思ってる今日この頃。


代々木駅のすぐ横にある空地にある、有吉弘行プロデュースのお店「インチキビアガーデン ダメ横」
プログラマーとかパソコン詳しい人崇拝みたいな状態
──旦那さんはどんな人なんですか?
旦那は、IT関連の会社やってます。知り合ったきっかけは私の友人が開催していた起業セミナーみたいな勉強会です。
当時の私はOLで事務をしてましたが、オペアのサイトを作りたくて、週末とかに勉強がてらホームページをつくろうとしたんですよ。 でも何からはじめていいのかもわからなくて、めっちゃ追い詰められていました。そのときに彼と出会ったんです。 セミナーの懇親会みたいなところで、彼は自分のMacBookPro のプレゼンをしてて「みてくださいこの美しいボディに光るAppleのマーク」みたいなこと言ってて、 その時私は、プログラマーとかパソコン詳しい人崇拝みたいな状態やったから「わー! すごい!」ってなって(笑)。

2009年7月にオープン、9月末までの期間限定のはずが好評により延長中。有吉の等身大のパネルがあります
──え、そこですか(笑)
その時、旦那が「こういうのが海外にはたくさんあるんですよ」って、海外の女性が司会をしてるビデオポッドキャストのことを教えてくれて「日本はもっと世界においつかなあかんのかな」と勝手に感じてました。 そしたら、「会社のビデオポットキャストをやりたいんだけど、それに出て欲しい」って言われたんですよ。 男だけで出てても誰も見ないからって。マインドコントロールされた後なので「出ます」って言っちゃったんです(笑)。で、撮影するのに何度か会ってくうちに付き合いはじめ、結婚が決まったときに「夫婦でやるのは恥ずかしい」ってことで出演するのをやめました。
──それって「プログラマーに憧れている女子を落とす方法」で、ライフレシピが出来そうじゃないですか(笑)。ちなみに、旦那さんもブログを書いてるんですか?
一応IT系の仕事だけど、表に出てこないですね。私も「迷惑かかったらいけないしな」と思って、旦那の素性は書くのを避けてます。 彼もブログをやってますが、私と違って完璧主義ということもあり、適当なこと書けないみたいです。 だから更新が月1回ぐらいで「そんな頻度じゃあかんやろ!」と思うんですが、言わんとこと思ってます(笑)。ブログに対する姿勢って人それぞれやから何が正しいとか無いし。


よく行くという代々木駅前の「TULLY'S COFFEE(タリーズコーヒー)」へ
何をやるかというより、誰とやるか
──東京に引っ越してくるつもりはないですか?
旦那がいてるから、引っ越すっていうのはないけど、東京は好きやし、nanapiがある限りはこの生活を続けるつもり。月10日だけ来るっていうのも大変ではあるんやけど、そんなに苦ではありません。
──東京でよく行く場所とか、お気に入りの店とかあります?
まだこの辺のことよくわかってないので、オフィスのまわりの半径何メートルって範囲くらいしか覚えてないんですよ。 わたし、ひとりで知らないお店とか入れなくて......。いつも行くのは、花まるうどんか、サイゼリアか、あとはほか弁(笑)。
ロケスタのメンバーと一緒に行くときは、いろんなお店に入ってみたりするんやけど、お店の名前を覚えてなくて......。ラーメン屋が多いですね。

山野美容専門学校の前にあるサンタクロースのバルーン
──大阪と比べてどうですか?
南新宿は面白いですよね。新宿駅も代々木駅も近くて、めっちゃ都心なのに、路地の裏入ると「こんなところあるんや!」って、びっくりします。 歴史深そうな銭湯とかあるし、小さいお店とか古い建物もいっぱいあるし。商店街もいたるところで栄えてますよね。 大阪では商店街とかどんどん廃れていってる気がします。ここみたいな、小さな八百屋とかあんまり見ないですよ。 買い物するのは大型スーパーです。


代々木と南新宿の間にある踏み切り。「この踏み切り、すごい待たされる時があるんですよ」
──今はフリーランスとして仕事してるということですが、今後、他にやりたいことやこれからの予定はありますか?
私の中で今「フリーランスだからいろんなことに挑戦出来る!」という嬉しさと、「やっぱり1つのことに深く関わりたい」という欲望が入り交じっている状態です。 自分で「AupairJapan(オペアジャパン)」ってサイトも運営しています。自分がオペアを知って留学できたから、もっといろんな人にオペアの事を知ってもらいたくて立ち上げたんです。 でも、nanapi がスタートして、今はそっちばっかり。色々やりたいけど、この時期は集中型になるほうがいいような気もしてるんですよ。 せっかく「一緒に働きたい!」というメンバーとも出会えたし。何をやるかというより、誰とやるかが私の中では重要なんだなと気づきました。

「それじゃあ、またねー」と、会社に戻って行くasami81さん
──ずっとブログを書き続けたいですか?
何度も炎上してるんですが、コンスタントに続いています。まわりにどう言われてるかっていうのは今はあまり気にしないですね。 前に炎上したとき、「多分こいつは閉鎖する」って書かれて、その一言を見て「誰がやめるか」みたいな。むしろ「言ってくれてありがとう」みたいな。あまのじゃくな性格なんですよ(笑)。おばあちゃんになった時に自分のブログが残ってて、孫に「ばあちゃんはこんなアホなことばっかりしてたんだよ~、でも超楽しかったよ~!」って伝えられたらいいなと思ってます。
──ありがとうございました。
撮影協力
呑喰里(どんぐり)住所:東京都渋谷区代々木1-43-1
TEL :03-3320-6400
営業時間:11:00~23:00
TULLY'S COFFEE(タリーズコーヒー)代々木駅北口店
住所:東京都渋谷区代々木1-36-1 オダカビル 1F
TEL :03-5304-7305
営業時間:[平日]7:30~21:00[土]08:00~20:00[日・祝]09:00~20:00

asami81(アサミ ハチイチ)
武庫川女子大学英文学科卒業後、オペアプログラムを利用し1年間アメリカに留学。帰国後、派遣OLを経て2007年に結婚。 現在、株式会社ロケットスタートで、ライフレシピ共有サイト「nanapi」の運営サポートを行い、大阪に在住しながら、月の半分を東京で過ごす生活を送っている。個人ではオペアのマッチングサイト「Aupair Japan」を運営。iGirl